法改正により、共用廊下やエレベーターは容積率に参入する必要がなくなりました。
宅配ボックスについても歩行経路に設置されるものについては参入しなくて済む様になりました。
しかしながらパイプシャフトに関しては今でも容積率に参入されます。
このため、パイプシャフトは無駄なく設計しなければなりません。
そこにどんな配管・配線が通るのか。そのためにどれだけの空間が必要なのか。
世間にあるマンションのパイプシャフトを見てください。
スカスカで、何にも使われていない空間は居住者の物置となっている。
そんな物件も多々見受けられます。
もし、各階に2つのパイプシャフトがあって、それぞれに1平米の無駄があったとします。
10階建であれば、20平米の面積となり、それは全て容積率に参入されてしまいます。
20平米あれば1Kタイプが1戸作れる大きさです。
賃貸マンション・アパートの基本設計にあたっては、「より多くの貸室床面積を!」という事に細心の努力を払うべきです。
住戸内の空間についても同じです。
無駄な廊下に面積を取られている物件。無駄に広い脱衣場。
長い時間を過ごす居室の面積を最大限確保し、短時間しかいない場所には余剰空間を設けない様にする。
そんなことも重要になってきます。
億単位の融資を受けての計画になることもあります。
命がけです。だから建築士も依頼者の命を預かる気持ちで手間を惜しまず全力を尽くさねばなりません。
<3.床面積の話 5.住戸内の効率化(1)>