賃貸マンション企画テクニック (第1章)内階段の活用

内階段を使ったテクニック

設計には「定石」とされる物があります。
法的に必要な避難経路や防火設備を考えた際に、
こうするしかない」という常識。


設計経験豊富な建築士は、この「定石」を守ります。
そのおかげで「経験不足の建築士達が犯す様な過ち」はしないで
済むのですが・・・。
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敷地面積約75坪、間口は8mも無い敷地です。
この様な敷地の形状を見たとき、
マンションの設計に慣れた建築士なら、
すぐに次の様な絵が浮かびます。
逆にこのプランがすぐに思い浮かばない建築士には、
マンションの設計を頼むべきではありません。
各種法規をきちんと理解していれば、「これしか無い」という
定石があります。




定石から考え出される「常識的な」プラン
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各階に1Kタイプであれば4戸、
1LDKタイプであれば2戸納まる程度のボリュームの敷地です。


しかし、一方道路であり、
道路に面する住戸は2戸しか造る事が出来ません。


内階段を2つ造れば、バルコニーからの避難は不要になりますので、
反対面にも住戸が計画出来ますが、


この敷地の大きさ、建物規模で
内階段を二つを造るなど非常識。

よって、
この敷地には、住戸数は各階2戸が限界である。

これが、経験豊富な一級建築士が辿り着く
判断です。


上記プランは、
日本トップ4の
スーパーゼネコンの提案とほぼ同じ形状です。
勿論、常識的なプランです。




しかし、当社では
それを超える提案を行なう事が可能です。

全ての法規に精通し、更には、何度も提案を練り直す事で、
他のどこも出して来ない設計図を提供するべく
常識から全て再検討し直します。



構造的に、細長い建物ですから、コストを無視しない限り、
高層化には限界があり、
10階建程度が限界の敷地条件です。


1LDKタイプであれば、2~10階までに計画出来るのは18戸


しかし、収支を考えれば、
1Kタイプを各階3戸、
出来れば各階4戸計画したい
試行錯誤と行政との交渉を行ない、出した当社の結論は以下の計画です。

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○このケースでの常識とは?
 建築基準法では、原則、
 6階以上には2以上の直通階段を計画する様に定めている。
 しかし、小規模な建物では、
 避難経路をバルコニーから確保する事により、
 外階段1基で済ませて良いという緩和規定がある。
 
内階段とする場合には、緩和規定を使えない為
階段を2つ設置する必要がある。


このため、常識的な設計者は「
外階段1基+避難用バルコニー」の
緩和を利用して設計します。それ以外の選択肢は考えられない。
だからこそ「定石」なのです。



しかし、この敷地形状に、
本当に「内階段2つ」は非効率なのか
そこまで戻り、何度もプランを描き直した結果、
上記プランが完成しました。

1Kタイプが全部で36戸。
戸数としては倍増です。
飛躍的に高効率の収支計画を実現しました。


その後、スーパーゼネコン側は、
上記プランに似せたプランを再提案して来ましたが、
お施主様には、先に提案させて頂いた当社を選択して頂きました。

設計は
見よう見まねで出来るものではありません

それをご理解下さるお施主様達の熱意に全力で応えられる様、
日々、勉強、努力しています。
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当社は小さな会社ですが、

大手を遥かに超える優れたプランをご提案、それを実現する事が出来ます。

また、当社の設計図を元に
大手建設会社に建設を依頼する事も可能です。
本物件は、一部上場企業であるピーエス三菱
建設株式会社により、
2010年5月、無事に完成致しました。

賃貸不況の中、約1ヶ月半で満室に。
2012年末現在、順調に稼働しております。
考え尽くされたプランは、どんな環境に
あっても、オーナー様を守ります。