マンションに必要な消防設備
マンションに必要な消防設備
この500m2は「法床面積」です。
バルコニーは含みませんが、廊下や階段、エントランスホール等、
住戸でない部分の面積も含まれます。
これは、どの様な意味を持つのか?
例えば、延床面積510m2のマンションの計画があったとします。
その建物は、エントランスホールは広く、階段も余裕のあるサイズ。
もし、そうだとすれば、「なにがなんでも」無駄に広いスペースを見つけ出し、
延床面積を500m2に抑えなければなりません。
たった10m2オーバーしているだけで、
100万円単位のイニシャルコスト増、数年おきの消防点検。
収支を考えなければならない賃貸マンションにおいて、
その辺のコストをシビアにコントロール出来るかどうか、
こんな所にも、設計者の技量が現れます。
床面積を効率的に管理すること。それはとても重要な事なのです。
ちなみに、一級建築士であっても「バルコニーには必ず避難ハッチが必要」
と思っている人がいるのですが、消防法では「その階の収容人数が10人以上の階に必要」
と定められています。
つまり、各階5戸や6戸のワンルームマンションでは避難ハッチは必要ありません。
他に、都道府県条例で避難ハッチが必要となる場合もあります。
その場合は「消防設備」ではなく、条例の規定を満たす為に付ける設備となります。
「消防設備」として求められる基準とは異なる基準となるのですが、
これも、あまり知られてはおらず、その為に過剰なスペース、
無駄な避難通路を設けてしまい、採算を悪化させているケースも
多々見受けられます。
建築基準法だけでなく、消防法、都道府県条例、都市計画法など、
建築士が知っているべき事は多岐に渡ります。
それらの法律は全てを理解して、きちんと守れば十分な安全性が確保されます。
過剰な装備を設ける事は安全性を高める効果ではなく収支計画の悪化に繋がります。
当社では、それらの全てをお施主様にご説明しながら、
プランのご提案を進めて行きます。