賃貸マンション企画テクニック (第2章)超狭小地の活用・高層化

狭小地を逆手に取った4面通気

ningyocho1K
※図面の上が北方位です。

東京都中央区。人形町駅から2分という好立地で、
1Kタイプ住戸を各階2戸ずつ造る事が出来れば、
相当採算の良い計画が建てられそうな土地がありました。

しかし、
敷地面積は24坪弱

地区計画により、北道路からは50センチ、西道路からは1m
下がって建物を建てなければなりません。


1Kタイプは、
取れても北向きの住戸が各階2戸
1戸は
17mしか無く、
貸しづらいマンションとなってしまいそうです。


当社では、そんな敷地条件の
マイナス面をプラスにするには
どうすれば良いか考えました。


その結論は以下の図面です。
ningyocho2DK

北向きの1Kタイプが各階に2戸しか入らないのならば、
各階1戸ずつ、2DKを入れれば良いのではないか。


エレベータから下りた部分は外階段の踊り場。
そこは各階の
入居者専用スペースです。
洋室2室、ダイニングキッチン
全てが道路面
浴室にも窓を付ける事が出来ました。

戸建並みの快適性を都心で実現
分譲マンションでも、これほどの間取りが
通常タイプ物件であるでしょうか?
(超高級物件ではあるかもしれませんが)


それだけの
快適性にも関わらず、家賃は17万円弱~の設定。
水回りなどは少々小さめに計画する事で、
専有面積を44m
に抑え、
それにより割安に見える家賃設定を可能にしました。

近隣の2LDKは、どれも50m
以上あるものばかりですが、
20万円でも借りる事の出来る物件はありません。


この家賃、部屋数、新築。
その条件は現在、極めて
供給量が少ないタイプです。
この面積で1LDKタイプの住戸は数多くあります。
間違いなく需要があり、供給も多いのが1LDKタイプです。

ですから、
安全性を高める意味で、それらと同じ舞台にも立てる様、
4.5帖の洋室は可動間仕切を開ければDKと一体化、
「大きめの1LDK」
としても使える様な計画としています。


1Kタイプの設計をする際には、
競合する他物件より何年も先を歩ける様な計画を心掛けます。


今回のケースでは、「市場に供給されていないが、需要はある筈」
の物件を目指しました。
現在、順調に稼働しています。




駅から2分、周囲がオフィス街という好立地を活かして、
1・2階にはケーキショップが入っています。
長く入居して下さる店舗テナントも、
計画の安全性を高めて下さいます。
tecningyochotenpo