賃貸マンション企画テクニック (第4章)斜線制限に挑戦

斜線制限を勾配屋根で有効活用

マンションを建てる際、
容積率などと並んで、建物のボリュームに制限を掛ける「各種斜線」
があります。

特に道路幅が狭い角地では
2方向から斜線が発生し、北側斜線もある場合は3方からの斜線を
受ける事になります。


このケースは、それらの制限により、
競合他社が4階建てしか計画出来なかった敷地です。


5階部分を無理して造ったとしても、まともに貸せる様な計画とは
出来ない為、
4階建てで計画した他社のプランの方は常識的でした。

tecarc4f



1階から4階の住戸と同じスパンで造ったら、
5階の住戸は16m
程度にしかなりません。
最上階に、
無理に狭い住戸を造って貸せなくても困ります




しかし、16m
でも、「魅力的な最上階住戸」とする事が出来ないか?
「常識」は正しいのでしょうか?




そう考え、試行錯誤の末、造られたのが以下のプランです。

tecarc5f



斜線なりに下がった屋根の部分を活かして、
5階部分は天井高の高い部屋としました。
勾配屋根部分には窓があり明るく開放的です。
また、5階住戸の中で、絶対に不足するであろう収納空間を補う為に
ロフトも計画しました。


誰もが「
使い物にならない」と思っていた5階部分に、
4階と同家賃以上の設定が出来る5階を計画しました。


Pasted Graphic



4階建の計画であれば最大19戸の計画。
当社の
5階建プランでは23戸の計画として、
収支を大幅に改善する事に成功しました。